治そう治そうとしない〜パニック障害・円形脱毛症

治そう、治そうという気持ちが強すぎると
結果、その症状から離れられなくなることが
あるのではないかな?と私は思っています。

あるパニック障害の患者さん

私の患者さんの女性でパニック障害も持ってる方がおられます。
発作が起きたときには
パニック障害になったことがない人には分からない怖さなのだと
思います。

「もう、絶対パニック発作に陥りたくない」と強く思えば思うほど
少しのきっかけがトリガーになります。

結果、またパニック発作が起こって、さらに恐怖を感じ
次こそは絶対に、なりたくない、いやだ、と思えば思うほど
さらに小さなきっかけでパニックが起こるサイクルができあがるようです。

私がその女性の患者さんにお話したことは
パニックにならないように、ならないようにと思わないことです。
パニックになってもいいや、と思うことです。

パニックになってしまったら、その時に慌てないで
パニックになっている自分をちょっと上からでいいから
眺めてあげてください。

自分がパニック発作と一緒にならないことを意識してみてください。
そして、パニックになったらその時はその時だ、と
思えるようになったらきっと、それは治るときが近いでしょう」と。

その女性の患者さんは季節の変わり目や、疲れると
少しの発作は起こすようですが、
パニック発作と上手にお付き合いができるようになりました。

診察室に入ってくると以前はまず、
「私はパニックがあるから」というお話から始まり
いかにそれが怖くて、怖くて仕方がないか?を
お話してくださいました。

今は診察室に入ってきてもパニックのお話は
なさらなくなりました。
以前のように「パニック発作にならないために薬を常に飲む」必要がなくなりました。

パニックにいつなってもいいや、と思えたことと
自分とパニック発作とが、区別できるようになったことで

怖さに巻き込まれて、わけがわからなくなる、ということが
なくなったのでしょう。

 

円形脱毛症の女性

ある若い女性が、円形脱毛症になってしまった、とのことでした。
これといってストレスだ、と自覚されていることはない、とのことでしたが
私がお話を聞いていると
「その方の彼氏の態度と、お仕事の量は無理がなるのではないのかな?」と感じました。

ストレスというのは自分自身では自覚がない場合も
あるような気がします。

そもそも、ストレスを感じていたらそれに気がつき
ストレスを解消すべく対策を練るでしょう。

けれどもストレスに慣れ切ってしまっていると
「それは自分にとってストレスなのだ」というセンサーすら
壊れてしまうのですね。

ストレスを感じないから、対策を練ることもできず
結果、心身が「おーい」と声をかけてくるのでしょう。

それが、心身に出る様々な症状なのではないのかな?と
私は考えます。

その女性はいろんな情報を調べて、皮膚科にも通って
薬も塗ったり、サプリを飲んだりして早く治したい、と頑張っていました。

が、次に会ったとき「さらにヒドくなっちゃって」と落ち込んでいました。

その時に私はこうお話をしました。
「円形脱毛症を治そう、治そう、と追求しないほうがいいですよ」

少しでも早くそれを治そうとすればするほど、さらにストレスが重なります。

なので、私は「そのうちに治るから円形脱毛症のことは忘れてればいい
それよりも、仕事のことや彼氏のことそのものを
どうにか対処した方が良さそうですね」と。

その女性はいつの間にか円形脱毛症は治っていて
私にもその話はまったくしなくなりました。
忘れた頃に、治るものなのでしょう。

 

間違えてるかもしれない対処法

 

多くの人は、症状や病気に対して
「早くその症状や病気をなくしてしまおう、消してしまおう」とします。

病気や症状を消すための方法を、ヤフー知恵袋などで
何度もしつこく、探したりします。

いろんな病院へ通院してみたりもするでしょう。
そのお気持ちはとても、よく分かるのです。

なぜなら、実際に自分の心身に異変が起こったら
誰しもが恐れを感じます。すぐに、ではなくとも
「死」を潜在的に意識するから、なのだとも思えます。

でも、「早くその症状や病気をなくしてしまおう、消してしまおう」については
私は、それは違うように思います。

なぜなら、何かのサインでその症状や病気が出ているのに
そのものを薬や何かで消し去ろうとしたって
その根本的な部分を解決することなしに
症状や病気は消えることはないだろうからです。

そこを消したり、封じたら、今度はまた違うところから出てくる可能性だって
ありますものね。

そして、症状を出したくて出してるのは、
子どもがただ泣きたくて泣いているのと同じことです。

泣いている子どもに 
「ほら!いいから早く泣き止みなさい!!」と叱る親もいますが 
そうすると子どもはさらに、火がついたように泣きますね。

それと同じだと思うのです。

気が済むまで、出させてあげる気持ちの余裕がとても大切です。
子どもも、気が済むまで泣かせてあげたら、スッキリ泣き止みます。

そのサインを出してくれてる自分の心身に対して
もっとやさしく「そうなんだ、ごめんね、サイン出させちゃってさ」と
自分自身で自分に声がかけてあげることです


症状や病気に向き合えば向き合うほどひどくなるケースあると思っています。

それは、「自分が困る、いやだ」と思うこととまともに向き合いすぎて
さらにストレスや自分への攻撃(私ってなんでこんなダメなんだろう)が
重なるからです。

あるいはちょっとした心身の変化にあまりに敏感になるすぎるあまり
新たな恐れが、またそこには生まれてきます。

ストレスが重なれば、さらに自律神経の交感神経が興奮状態になり
結果、血管が収縮したり、ストレスホルモンが出っぱなしになって
対応するように、幸福ホルモンのセロトニンも出っぱなしになって
ホルモンの枯渇(出し過ぎた結果、ホルモンが出なくなる状態)に
陥るでしょう。

ホルモンバランスが崩れれば、さらなる体調不良に陥るのです。

血管が収縮状態になれば、血流障害が生じるので
脳の働きも悪くなり、たとえば頭皮の血流も悪くなる結果
発毛を促すことすらできません。

血流障害になって冷えが進めば、さらにそれはストレスになります。
悪循環に陥るのです。

じゃあ、どのように考えればいいの?

 

症状や病気が出ているのは

•自分の考え方や、固定観念などどこかに過剰に凝り固まっていないか?

•何か無理をしてないか?

•自分が本来コントロールできないはずのものを、
何かをコントロールしなければならないという不安がないか?

•モノや事を自分の手にしっかりと確実に握りしめようとして
手放さないようにしていないか?

私はこのようなことが、深く関与しているのではないか?と
考えています。

その原因に向き合おう、向き合おうとして追求してもまた、ダメなのです。

一番大切なことは「自分がどうしたら今、楽に過ごせるか?」
とにかくそこだけ、を考えて、そうするのです。

原因や理由を追求すればするほど、どつぼにはまります。
それが明らかに「あれがストレスの原因だ」とわかっている場合はいいですね。
それについて、対処の仕様があります。

でも、その時の自分では気がつけないことだってたくさんあります。
後になってみれば、ああだったんだな、ということが分かるのです。
そんな時には、その時はとにかく

「自分が楽になるためには、自分が楽にそこにいられるためには、どうしたらいいのかな?」
そこを丁寧に考えて、実行していくことです。

急がば回れ

「気持ちに余裕があったらこんなことになってないんだよ!!」
そう、文句を言いたくなる方もおられるかもしれません。

けれども、ある意味そうやって自分の心身が反応してくれて
サインを出してくれていることに誠実に対処すれば
結果、健康的な生活を手にいれるきっかけになるのです。

どういうことか?いうと、例をあげてみます。

私は、4年ほど前にかなり鬱に近い状態でした。
「燃え尽き症候群」に近い状態です。

そして私は自分と向き合う必要があるのかも、と思って
精神科に通うのではなく、まず、山を歩くようになりました。

遠足の時は山なんて歩くのは大っきらい!!っていうほどだったのに
早朝の山の空気を大きく吸い込んで
姿勢よく、さっさっさと歩いていると
段々と、自分の中から活力が湧いてくるのを感じました。

それは、半年くらい続けてから、でした。
当初は、歩きながらも「もっとこうするべきか?」「あれはそういうことだったのかな?」
「だから私はいつも、ダメだったのか」「なかなかすぐには、体重減らないじゃん!」などなど、
頭の中のおしゃべりがうるさかったです

人のストレスには、この「頭の中の止まらないおしゃべり」が
大きく関与しているんだろう、と思います。

そして、日々歩いていくうちに
「歩く目的なんてどーでもいいや」という気持ちになりました。

ただ、気持ちいいから歩くだけ。

「目的もなく歩く」ようになってから、さらに歩くことは楽になりました。
ある事が「当然の習慣」になると
リラックスしてそれができるようになります。

リラックスして歩くようになってから私のメンタルは
かなり落ち着き始め、落ち込みが消えていったのです。

私は「目的なんてどーでもいいや」になってから

•鬱状態も改善

•ダイエットもできた
結果、自分にまた自信がついた

•筋肉もついて冷え性が治った

•便秘が治った

•イライラするけど自分でコントロールできるようになった

•笑えるようになってきた

こんなに、様々なことが変化していった結果、とても健康的な生活を
手にいれることができた
のです。

もし私が
「早く鬱状態から抜け出さなければならない!」と必死に歩いていたら
「ちょっとやってダメなら、薬だ!!」になって
結果、今頃私は、薬漬けになっていたかもしれないのです。
健康的な生活とは、さらにかけ離れていっていたでしょう。

まとめると

なかなか原因がはっきりとしない症状や、病気は
今の世の中には、次々と増えてきているような気がします。

それだけ、私たちの選べることが増えてきた、ということだと
思うのです。
生活や価値観の多様化です。

その多様化に心身がついてこれていないからこそ
「ちょっと、無理をし過ぎてるみたいだよ。
もう少し、ペースダウンしてもらえないかな?」

「ちょっと欲張りすぎてないかい?
これ以上は、持ちきれないよ」

「ちょっと高望みし過ぎじゃないかい?
本当に、それ、君がやりたいことなの?
本当に、それ、目指したいことなの?」

そういう心身からの声なのではないでしょうか?

自分自身の本当の欲求に従っていれば
心身は、きちんとついてこれるでしょう。

「本当にこれがやりたい!」と思うことが決まれば
すべてそこに照準を合わせて生活を自分で調整するからです。

けれども、たくさんの情報が溢れかえり
私たちは少し、欲張りになりすぎて
「本当にこれがやりたい!」とか「本当にこれが欲しい!」ではないものを
他人目線で選び、それを得ようとして
照準もあちこちにすぐ変わってしまうので、合わせることもできずに
結果、自分自身で調整すらできなくなっているのではないでしょうか?

私には、人々が右往左往して迷子になって
歩きつかれて「もうだめだ〜」となっているように
見えるのです。

迷子になったら、止まってみること。
落ち着いて、見直してみること。

それはとても大切なことだと思います。

止まる勇気、見直す勇気。

難しいことかもしれませんが、
私たちは「自分の心身があるからこそ生きていることができているのだ」という
当たり前のことを忘れてまで
何がしかを求める必要もないような気がします。

健康的な心身というのは、何も症状がない、病気がないことではない、と
私は考えています。

健康的な心身というのは、
そのサインを出してくれてる自分の心身に対して
もっとやさしく「そうなんだ、ごめんね、サイン出させちゃってさ」
自分自身で自分に声がかけられて
休ませたり、楽にさせてあげらることによって
得られるものだ、と思います。

その結果、自分の心身がどんな状態であっても
それを乗りこなせることが
「自分らしく生きること」なのではないのかな?と
考えています。



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2 件のコメント

  • 円形脱毛症で、もう前髪なくなりそうです。
    ずーっと我慢していましたが、私は髪の毛をピンクにする事で、テンションが上がるカラコンつけて、やる気が起こる、元鬱症状の出る、ボーダーです。しかも今年50歳。
    我慢するのをやめ、髪をピンクにしたら、少し元気になりました。髪が傷んでツルツル禿げになったら、ピンクのウイッグを買おうと思い、染めました。
    こんな感じでもいいですよね。

    • 我慢をやめて、ピンクにしたら少し元気になられたのですね! 
      ピンクのウイッグ、すごく素敵だと思います!!
      そんな感じ「が」いいのではないでしょうか?

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