ママの不眠症

30代の子育て中のお母さんが不眠の訴えで
外来にやってきました。

3人の子供を事情があって一人で育てているそうです。
私と同じです。

以前から不眠症になることがあり、内服もしていたことがあるけど 
治せるなら、治したい、そう思って今日は外来へ来ました、とのことでした。

眠れない原因は寝る時にも、交感神経が興奮しまくっているから、です。

明日の子供の準備に怠りがないか?
明日の予定はどうなってるか?
明日、仕事で〇〇があるから大変だ!

寝る間際まで、そういうことを考えていたら
夢にまで出てくるでしょう。

 

不眠症の原因の一つに「ちゃんと育てないといけない!」がある

 

お母さんが子育て中に大変になる大きな理由の一つに
「子供をちゃんと育ていといけない!」という激しい思いです。

「ちゃんとした大人にしなきゃ!」と思えば思うほど

「今すぐ、これができてもらわないと困る」
⇨「ねーねーねー、なんでさー、そんなこと、やってんの!?」

そして子供が複数人いれば、一人が親が気に入らないことをしたら 
他の子にも、ダメだしをしたくなる、という悪循環がそこに待っています。

一人に「ねーねーねー」が始まると、それだけでスッキリ終わることは
まず、ないですね。

「っていうかさー、あんたも、なんで今、それやってんの!?
宿題やれ、って言わなかったっけ?ホント、いい加減にしなよ!」

こういう場面は、どのお家でもあるのではないでしょうか?

そうすると家の中の雰囲気もとても悪くなり、それをそうしている
お母さん自身も、すごく罪悪感を感じる、でもやめられない!止まらない! 
のですよね。

 

不眠症を改善する休日の過ごし方

 

「ちゃんと育てなきゃ!」
「一人親だから、と言って他の子と差がつかないようにしてやらなきゃ!」

そういう気持ちが強くなりすぎると 
休みの日も、ダラダラするのではなく
「どこかへ行って、レジャーや買い物や、映画を観たり 
それらしい休日の過ごし方をしてないと、いけない」となるのですね。

子供たちと相談して「それがしたい!」と皆が賛同しているのなら 
そういう過ごし方も、時には楽しいでしょう。

けれども、大人も子供も、平日にかなり「やるべきこと」に追われて
本当は疲れているのです。

それなら、休みの日は何もせずに家でダラダラして、いいのです。
けど、それをすると「ダメ親」な気がするから 
頑張って出かける。

出掛ければ、子供ははしゃぐし、疲れればぐずる。
せっかくお金かけてるのに!!と親は怒る。

結果、みんなが何のために出かけたのかわからない 
エネルギーとお金を浪費するだけの時間になります。

誰も嬉しくない休日のできあがりです。

不眠症の方こそ、休日は昼間からダラダラして 
「何もしない」状態で過ごすことを、自分に許すことです。

平日にいきなり、何もしないで、は無理でしょうから 
休日こそ、子供達とのんびり、何もせずにダラダラしてみましょう。

子供たちは、ダラダラリラックスして、のびのび過ごす達人です。

 

不眠症の対策

 

疲れすぎると、人はさらに気を張ってミスがないようにしがちです。

特に、真面目な人や、周りからそのように振る舞うことを要求されてきた人は。

つまり、他人からの期待に応えなければ!!

これが生きる指標になっている人は
疲れれば疲れるほど、止まれなくなります。

もっと、気をつけて頑張らないと、ダメだ!となります。

結果、寝る間際にも、まだやるべきことが残っている気がしてしまい 
寝られないのです。

他人からの期待に自分だけが応えるならまだしも 
それを子供にも押し付けるのです。

「おばあちゃんがああ言ってるから、やらなきゃダメだよ!」
「ほら、おばあちゃんに怒られるよ!ママの立場にもなってよね!!!」

ありがちですね。

まずは「他人からの期待に過剰に応えようとしすぎてないか?」を
点検してみることです。

そして、「ああ、ちょっと無理して期待に応えなきゃ、と負担になりすぎてるな」と 
気が付きさえすれば、ずっと楽になっていきます。

急に眠れる様にはならなかったとしても
「自分は他人の期待に沿おうとしすぎて、頑張りすぎて 
眠れないのだ」ということに気がつくこと
とても大きな発見なのです。

 

子育てのストレスを減らすためには?

 

子育てをちゃんとしなきゃ!という気持ちが強すぎて
自分も子供も消耗して、何もうまくいってない人は
(不眠も十分、うまくいってない証拠)
一度、子育ての基準を思いっきり下げてみるといいと思います。

「死ななければよしとする」

怒る人は怒るのかもしれませんが、
ガミガミと子供に言い続けていることが、いかにひどいことか?
それを知ることは、きっとないのでしょう。

一度、自分自身が子供にガミガミと言っている音声を 
録音してみることです。

私は、自分で話をしている音声を取って
YouTubeにあげています。

が、それを聞いた時に「私の大っ嫌いな人と同じ喋り方をしている!」と
あまりのショックで、3日間、落ち込みました。

「もうやだ!信じられない!自分がそういう言い方をしてるじゃない!」と
私は自分の姿を見たのでした。

多くの親も、自分が普段、家族にどういう言い方で話をしているのか?を
客観的にチェックしてみたらいいと思います。

「親なんだから、当然!」な言い方が
どんな風に子供たちに伝わっているのか?
どんな風に感じ取られているか?

音声を取って聞いてみたらいいです。

それを聞いてみたら、「ああ、自分ってなんてひどい言い方をしてるんだろう」
「ああ、自分って何様だと思ってるんだろう」と
感じるかもしれません。

「死ななければよしとする」

これは、例えば宿題をやらない時に、
「宿題やらないなら、ごはんあげない!」などの言葉かけをせずに済みます。

宿題は、子供の課題であって、親がやらせるものではありません。

「宿題を忘れていったところで、困るのは子供」ですし 
宿題を今、やらなくても、後で自分でやることだって十分あるのです。

「宿題やらなくても、死なない」
そう思えば、あんなに宿題なんかでガミガミと目くじらをたてることも 
あんなに険悪な雰囲気にすることも、あんなに子供の目に涙を浮かべさせることも 
なくなるのです。

そういう意味で、全てにおいて、一度「死ななければよしとする」を基準として 
やってみるのです。

 

子供も不眠症体質になるのか?性格的な傾向

 

不眠症になるということは繊細である、とも言えます。
不眠症の親が、そのまま子供にも同じ様に 
「親が良しとしていること」をガミガミと言っていたら 
子供はどうなるのでしょうか?

性格的な傾向は、親が接したように子供は作られていくのであれば
親の繊細さを引き継ぐ可能性は十分あるでしょう。

子供たちが自分で考えて行動するようになってもらいたいので
私は、口出しをしません。

その代わりに、「18歳になったら家を出ること」を伝えてあります。

「親が言わないと、子供ができるようにならない」のではなく 
「親がきっちり尻を決めて置かないと、
子供はいつまでもできるようにならない」

そう、考えています。

子供にガミガミ言えばいうほど、子供はもうそれ以外のことをしよう、と思わなくなります。
「親が言ったようにしておいた方がめんどくさくないわ」となるのです。

子供は甘えたい時は思いっきり甘えた方が自立もきちんとします。

けれどおも親が疲れ果ててると、余裕がないので
「ちょっと甘やかすと、自立できない!ちゃんとできない!毎回甘えるに決まってる」
そう、決めつけて、子供を甘やかさないように厳しく突き放します。

ちょっと甘えたい時に、甘えていれば、子供はそのあとはまた
自分でどうにかやっていきます。

でも、ちょっと甘えさせてもらえないと、そのあと、もっと注目を集めたいから 
良いことでも、悪いことでもして、親の注目を集めようとします。
それは、大人になっても、続きます。

良い大人が、「親に褒めてもらいたい」「親に認めてもらいたい」と言います。
それがいかに不自然なことか?は当人たちは気が付きません。

子供が甘えたい時に、自分にその甘えを受け入れる余裕があること

これは私の子育て中の自分に課していることです。
子供が甘えたい時に、甘やかせてあげられないような疲れることはしませんし 
そういうストレスもためない様にしています。

「口出ししてやらないと、子供はちゃんとした大人にならない!」

これも、何がちゃんとなのか?という尻が決まってないことがほとんどです。

ちゃんと、って具体的になんですか?

ちゃんと、ちゃんと!!って日々、怒鳴り散らしているのなら
一度落ち着いて、「ちゃんとって一体、どうなってほしいのか?」を
冷静に考えてみることです。

そして、「ちゃんと、ちゃんと!」と口出しを続けると、
どうなるのか?を知ることも大切です。

 

80歳になっても外来に不眠でやってくるおばあさん

 

外来でおばあちゃんの付き添いで息子さんが付いてくることがあります。
おばあさんのお世話をしてるのでなく、息子がおばあさんの世話になっているのです。
家事全般を、80歳のおばあさんにやってもらっているのです。

そして、お母さんが入院なんていうことになれば
「いつ、退院できるんですか!?」とそれはもう、息子さんとしては 
大変なことになるのです。

80歳の母親が「掃除も、洗濯も、料理も全て今日までやってたんです!!」と
得意げに話す息子は、これがどこかおかしい、と思わないのでしょうか?

不眠症は若者だけの症状なのか?というと 
性格的な部分や、親子関係を整えなければ
80歳になっても、治ることはないようです。

そして、親子はどこかで離れるからこそ次の世代が育つのだろう、と思います。
親子がべったりしていたら、それは次の世代は育ちませんね。

なぜなら、親子の親密な関係に入ることができる他人なんていませんから。
親子離れができていなければ、誰一人としてそこに入る余地はありません。

 

不眠症を解消するためには

 

私は、今日、子供をあまりにちゃんと育てなきゃ!!というプレッシャーで
不眠症になっているお母さんと 
80歳の不眠症の母親に自分の世話をしてもらっている50代の息子さんをみて
思うところがたくさんあったので 
この記事を書きました。

分が一体、どこに尻を合わせているのか?
それをきちんと決めることはとても大切です。

不眠症になるのには、やはり理由があると思います。
自分自身の思考のクセは大きく関与しています。

そして、それは自分自身であ「当たり前」の考え方になっているので 
自身で気がつくことも、難しいようです。

子育て中であれば、「自分が何を子供にしょっちゅうガミガミと言っているのか?」は
ヒントになりそうですね。

とりあえず、闇雲に、「ちゃんと、ちゃんと!」ばっかり言って
「早く!早く!」ばっかり言って

で、それでどうしたいの???

そこをきちんと自問することはとても大切だな、と
改めて、私は自分に課題を課したのでした。

私だって、余裕がないんだから!!と怒ってばかりじゃなく
余裕ないんだから、ちょっと休もう! 
余裕ないんだから、無理して他人に合わせなくも、うちはいいや!!

そんな風に思えるのかどうか?が
その家の子供が幸せに成長して、親離れできるのか?に
大きく関わってくるのだろうな、と感じました。



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